耐震性接着継手TB工法 
建技審証

コーキング工法の施工手順

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耐震性接着継手TB工法

TB工法には、BOXカルバートの外から高弾性接着剤の充填を行う「注入工法」と、BOXカルバートの中から高弾性接着剤の充填を行う「コーキング工法」があり、施工条件に応じて使い分けが可能です。

「コーキング工法」の施工方法を説明します。

コーキング工法

コーキング工法は、高弾性接着剤の充填をすべてBOXカルバートの中で行うことができます。
曲線部でも施工が可能であり、既存工法より施工の工数が削減され施工性が向上します。
BOXカルバートだけでなく、三面水路や枡とBOXカルバートの接続部にも使用できます。

TB(タッチボンド)工法は、連続性と水密性を確保しつつ、側方流動などによる大きな地盤変位に対しても対応可能な耐震継手工法です。

それでは実際の施工例から、TBコーキング工法を用いたBOXカルバートと角型マンホールの耐震継ぎ手の施工例をご紹介します。

TB工法

角型人孔(コネクトホール特4W号□1,800x1,800)の開口部へBOXカルバート□1,200x1,200を挿入します。

TB工法         

TBコーキング工法の「標準仕様」は、レベル2地震動による地盤変位によって、継手部に発生する変位量が下記に示す許容値以下となる場合に対応し、コーキング工法では 幅20mm、厚さ15mmとしています。

1. 許容軸方向変位量:10mm
2. 許容曲げ変位量:10mm
3. 許容せん断変位量:10mm

同じくTBコーキング工法「特殊仕様」では、レベル2地震時の永久ひずみによる大きな地盤変位などによって、継手部に発生する変位量が、下記に示す許容値以下となる場合に対応して幅20mm、厚さ35mmとします。

1. 許容軸方向変位量:30mm

こちらは、外側目地部の隙間にバックアップ材(ポリエチレン製)を挿入しています。

TB工法

コーキングの厚さが30mm取れるように、バックアップ材の位置を調整します。

外側からのバックアップ材は、外側の壁から20mm以上確保する必要があります。

バックアップ剤は現場にて取り付ける場合と工場出荷時に取り付ける場合とがあります。

今回は、コネクトホールにBOXカルバートを挿入するケースのため現場にてバックアップ剤を挿入しています。


コーキングをする前にマスキングテープを貼り付けます。

TB工法

TBボンド A剤、B剤それぞれを撹拌した後、A剤とB剤を混ぜ合わせ、再度ミキサーで撹拌します。

TB工法

色が均一になるまで撹拌します。
A剤は白色、B剤は黒色になっているので、混ぜ合わせて単色の灰色になるように練り混ぜます。

TB工法

施工時には、冬用、一般用の高弾性接着剤(A剤及びB剤)は0度以下に、寒冷地使用の高弾性接着剤は-20度以下にならないように保管する必要があります。

※通常BOXカルバートのコーキング工法は、高弾性接着剤の充填をBOXカルバートの内部で安全に施工することを基本としています。

コーキング用のガンを使用して、加圧しながら一定の速度で目地部分にTBボンドを充填します。
外側は、側面と頂板部の3ヶ所にTBボンドを充填します。

TB工法

TBボンドを充填した後は、ゴムベラなどで滑らかに仕上げを行います。

TB工法

養生テープを剥がしTBコーキング剤の硬化を待ちます。
指触硬化は外気温により異なりますが、5時間から最大48時間までを要します。

TBボンドは外気温により冬用、夏用、一般用に分かれていますので、外気温に応じた接着剤を使用してください。

TB工法

角型人孔内部でも同じように目地にバックアップ剤を挿入します。
マスキングテープを貼ります。

TB工法

内壁からバックアップ材の表面まで20mm以上の隙間を確保します。

TB工法

目地部分にTBボンドを充填します。

TB工法 TB工法

TBボンドの充填が完了しました。

TB工法

高弾性接着剤が硬化し始める前にマスキングテープを剥がし、完全に硬化するまで養生して完了です。

高弾性接着剤(TBボンド)は、BOXカルバートだけでなく、バイコン台付管やヒューム管との接合でも使用が可能です。

TB工法

TBボンドコーキング工法で施工したマンホールとBOXカルバートの継ぎ手にレベル2の地震動を想定した許容変化量(屈曲変位、軸方向変位)を与え、継手部に0.1MPaの水圧をかけて3分間保持し、漏水がないことを確認しています。

大口径のBOXカルバートから、バイコン台付管、ヒューム管まで、幅広くレベル2に対応した可撓継手が構築できる高弾性接着剤(TBコーキング)工法なら安心です。



今回の現場のTBコーキング工法を動画で作業手順を追って撮影していますのでご覧下さい。

こちらからもご覧いただけます

「コーキング工法」はコーキング工法用高弾性接着剤を用いてマンホールとBOXカルバートの目地を構築し、耐震性を有した可とう継手に接続します。
高弾性接着剤を使用することで水密性、追随性、可とう性を有した継ぎ手を構築することができます。

施工例 施工例

「下水道施設耐震対策指針と解説-2006年版」に準拠して、BOXカルバートとマンホールの継手部がレベル2振動による地盤の変位に対応できるのか実験を行います。
実験のための継手部の許容値を下記のように設定して、レベル2振動の変位を与えた状態で水密性が保てるかを検証します。

縦方向の変位について許容屈曲角の設定

下図の実験モデルで検証を行いました。
屈曲角の許容値は高弾性接着剤の変位量が30mmに達した時の角度としました。
角形マンホールに挿入されたBOXカルバートの目地充填幅は30mmであり、30mm伸びると60mmとなり、伸長率は100%となります。
この時の屈曲角が許容屈曲角となりで5.5°となります。

レベル2地震動による屈曲角 0.846° < 5.5° ・・・ OK

変位角度

横方向の変位に対応できるか許容抜出し量(軸方向変位量)の設定

「下水道施設の耐震対策指針と解説」耐震計算から求められる管渠の抜出し量は通常、地盤の液状化に伴う影響(永久ひずみによる抜け出し量)が最も大きな値をとることが多い-の計算式に基づき、永久ひずみ1.5%による抜き出し量δを求めると次のようになります。

製品長  L=2.00m の場合 ・・・ δ = 30mm

上記から許容抜出し量は30mmを標準として、高弾性接着剤の充填幅を30mm、許容抜出し量を30mmとしました。

横方向の変位

上記モデルのように、コーキング工法で施工したマンホールとBOXカルバートの継手部に、レベル2地震動を想定した許容変位量(屈曲変位、軸方向変位)を与えます。
この状態のまま継手部に0.110Mpaの水圧をかけて3分間保持し、変位の状態であっても継手部から漏水がないか確認しました。

実験結果は下表の通りです。

許容屈曲変位の状態における水密性試験の結果

接着剤幅(mm) 変位量(mm) 屈曲角度(度) 内水圧(Mpa) 保持時間 継手部の水密性確認
30 3 5.5 0.10 3分間 漏水無し

許容軸方向変位状態における水密性試験の結果

接着剤幅(mm) 変位量(mm) 内水圧(Mpa) 保持時間 継手部の水密性確認
30 30 0.10 3分間 漏水無し

検証の結果、「コーキング工法」ではレベル2地震動による変位に高弾性接着剤が追随し、かつ地震後であっても水密性を有するこが確認されました。
TB工法は地震に対して安全、安心の施工方法です。

角形マンホールとBOXカルバートの接続

接続部分 接続部分

角形マンホールとヒューム管の接続

接続部分 接続部分

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