マルチスライド工法

施工方法

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マルチスライド工法

塩尻市奈良井の奈良井宿脇を通るJR中央西線で、歩行者用踏切の新設に向けた接続道路のボックスカルバートの施工の中で、簡易横引き工法のマルチスライド工法を採用していただきました。
今回施工するボックスカルバートはW1000xH700、施工延長はL=26mでした。

施工現場は設置予定場所横の道路の幅員が狭く、民家とJR中央線に挟まれており、ボックスカルバートの敷設に伴う掘削を行うとクレーンが現場へ入って行けない状況でした。
そこで大きな搬入重機を使用せず、小型重機と人力作業でボックスカルバートを運ぶことができる【マルチスライド工法】を提案させていただきました。
マルチスライド工法は、クレーンが設置できない狭隘な現場でも重量物であるプレキャストコンクリート製品が使用できる横引き工法です。

基礎コンクリートにレール(市販品鋼材)を埋設し、レール面へ鋼球散布ができる粘着剤を塗布し、鋼球を介した上にプレキャスト製品を配置し人力や小型重機による押しや牽引で順次滑走させ敷設する工法です。

コスモオクトールという専用の粘着剤を使用することにより鋼球の変動を抑え、縦断勾配10%程度でも施工が可能になります。

基礎コンクリートを打設したあとに鋼球で運ぶためのレールを設置します。
レールは市販材の等辺山形鋼を使う事が多いです。
レールは横引きの途中で動かないように基礎コンクリートへ不等辺山形鋼を埋め込むかたちで設置します。

レールを敷いたら、ボックスカルバートを所定の位置に運ぶための鋼球を並べていきます。
専用の粘着剤=コスモオクトールを塗布した後に、まんべんなく鋼球を散布していきます。

こちらからも動画をご覧いただけます。

鋼球の散布が完了しました。
次に搬送するためのソリの設置です。
搬送用のソリも不等辺山形鋼で構成することが推奨されています。
鋼球の上に設置します。

ボックスカルバートをレールの上に置いて所定の場所まで人力で押して運んでいきます。
大人3人でスイスイと運ぶことができていることがわかると思います。

こちらからも動画をご覧いただけます。

今回の施工では一箇所屈曲する部分がありました。
屈曲部については所定の場所にしっかり配置されるように、直線部よりレールを2枚敷設し、ソリが動きやすいようにしていただきました。

こちらからも動画をご覧いただけます。

屈曲部でも人力で施工が可能です。
レール、ソリ部分とも埋殺しになります。
ボックスカルバートの底版には、特別加工としてφ100mmのグラウト充填用の孔を設けております。
この孔からグラウトを流し込んで基礎部分とボックスカルバートを一体化させます。

同様の流れで作業を行っていただき、無事施工が完了しました。

今回はボックスカルバートを使ったマルチスライド工法の施工事例ですが、L型擁壁や張出し歩道、三面水路などの製品にも応用が可能です。

また、マルチスライド工法以外でも、大型製品を移動させるための各種工法をご提案させていただきますので、クレーンの設置が困難な狭隘な現場等がございましたらぜひともご相談を頂けますようお願いいたします。


平成30年度防災・安全交付金事業奈良井踏切道取付歩道設置工事

市道奈良井東町裏線、塩尻市奈良井
歩道設置工事L25.8m

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