長野市の雨水幹線事業、更北南部1号雨水幹線にてPRC-TBボックスカルバートの現場でマルチスライド工法の施工が行われました。
更北南部1号雨水幹線は長野市真島の現場で、千曲川へ放流する最下流に近い区間になります。
W3700xH2000のやや扁平気味の規格です。

現場は田畑に囲まれた市道で、その下にボックスカルバートを敷設します。


(写真はGoogleマップより)
施工時に田畑への影響を最小限にする必要があり、クレーンの作業スペースやトラックの搬入位置が道路沿いしかありませんでした。
製品重量もおよそ9.1tあり、道路幅員も狭いことから片押し施工が条件で、マルチスライド工法による横引き施工が採用されました。
●通常の施工の場合
通常の施工の場合ですと、1本施工→埋め戻しの繰り返しの手順を踏まなくてはなりません。

●マルチスライド工法を使用した場合
マルチスライド工法を使用した場合には、1本分製品を置けるスペースを確保できれば、あとは0.1m3クラスのバックホウで施工をすることができます。

以下の1~3を繰り返して施工を行いました。
1. 両脇の基礎コンクリートにレールを敷き、そこに粘着剤を塗布してパチンコ玉を並べます。


2. 敷いたレールにソリを設置し、クレーンで製品を置きます。

3. 0.1m3クラスの小型バックホウで製品を押して所定位置まで移動をさせます。
今回は0.1m3クラスのバックホウにて製品移動を行いましたが、製品規格が小さい場合には人力で移動も可能です。
その時の様子は下のボタンをクリックしてご覧いただけます。
今回工事の施工延長は約24mであり、ボックスカルバートの敷設は2日で実施しました。
L1.0mの製品延長だったため、1日に約12mずつの据付を行いました。

雨水幹線事業のため重要度が高く、地震時を考慮する必要があり、ボックスカルバートの継手はタッチボンド工法(TB工法)を行いました。


TB工法はレベル2地震動をクリアした高弾性の耐震継手です。
雨水渠をはじめ多くの現場での採用が増えてきています。
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