胴込コンクリート不要で概算約23日の工期短縮を実現！「イージーストーン」

近年は地球温暖化が影響していることが原因なのか、大型台風やゲリラ豪雨など集中豪雨による河川災害が増えています。
今回ご紹介する現場は、令和元年東日本台風(台風19号)による増水の影響で被災した千曲川の現場です。
長野市と須坂市をつなぐ村山橋下の川岸部分の石積みが損傷してしまいました。
台風19号では橋脚が全て隠れてしまいそうになるほど水位が上がり、村山橋から3kmほど下流には堤防決壊を引き起こした穂保地区があります。

復旧工事において、胴込めコンクリートを打設しながら積み上げていく「大型谷積みブロック護岸」が当初の設計でした。
河川工事は渇水期という限られた期間の中で施工をする必要があり、施工業者様から工期短縮できる製品が無いかとご相談をいただき、新製品の「イージーストーン」をご紹介しました。

「イージーストーン」は、胴込コンクリートを一体化した大型連結張ブロックの製品になります。
製品同士はフランジ連結にて強固な連結ができるほか、連結部にブチルゴム及び目地モルタルを設置することで、高い止水性と背面土の吸い出しを防止します。

谷積み、布積みどちらの施工も可能で現場に合わせて選ぶことが出来ます。

胴込めコンクリート打設が不要で、現場での面倒な生コンの受け入れ管理、養生管理が不要になり、コンクリート充填不足問題も解消される事から施工性の良さを評価していただき、施工業者様の強い希望により施工承諾で採用となりました。

施工の様子です。
限られる渇水期の中で基礎工や隔壁工も全てプレキャスト品で行いました。

胴込めコンクリートが無いためどんどんと積み上がっていきます。

上段ブロック張は堤防道路から据え付けていきます。

下段ブロック張の施工完了後は水回し等の仮設工を撤去し、一部河川を開放させました。

実際の工事では豪雨による増水など、トラブルが多々有りましたが、イージーストーン：1160m2を二班体制の施工で約1ヶ月で護岸工事を完了していただきました。
イージーストーンは胴込コンクリートが不要であり、概算で23日の工期短縮を図ることができました。

施工業者様には施工性に優れ、省力化できる製品である事を実際の施工を通して実感していただきました。