近年の豪雨災害につきまして、国土交通省が構造検討をしています「粘り強い河川堤防」は、越水しても決壊しない堤防ではなく、施設の能力を超える洪水に対し、避難のための時間を確保するなど、被害をできるだけ軽減するため、越水した場合でも決壊しにくく、堤防が決壊するまでの時間を少しでも長くするなどの減災効果の発揮する河川堤防であり、危機管理対応としての堤防強化対策としています。

法面ブロックにつきまして、下記のように、法面ブロック同士を結合したり、法留工と一体化することでコンクリートブロックの滑動に対する安定性を示しています。
連節材を用いてブロックの折れ曲がりを防止するこ と、ブロック形状の工夫と連結材による折れ曲がり防止など、ブロックの接続部がずれにくい構造とすることが、吸出し防止材をブロックで押さえる構造の越水に対する性能を維持する上で重要である。
(国土交通省 粘り強い河川堤防の構造検討に係る技術資料(案) より)
弊社製品ベースドレーンの基礎ブロックは、様々な法面ブロックとの連結が可能です。

さらに、覆土についての有益性も下記のように示されています。
裏法面に覆土をしている場合、越水後もブロックに大きな抗力、揚力が作用する範囲は覆土が流出した箇所に限定される。
(国土交通省 粘り強い河川堤防の構造検討に係る技術資料(案) より)
仮に堤防高 4m、裏法勾配 3 割、越流水深 30cm、覆土厚 30cm とすると、覆土が半分流出してもブロック全体では滑動しない結果となる。
よって、覆土をすることで越水後、直ちにブロック全体が滑り落ちるということは起こらないと考えられる。

こちらがドレーン工を組み合わせた完成の様子です。

ベースドレーンは、新技術情報システムNETISに登録されています。(NETIS登録番号:CG-240011-A)
・法留工をプレキャストコンクリートとした。
・法留工に水抜き穴を設けた。
・ドレーン部を砕石+シート巻き構造からかご式ドレーンとした。
・法留工とドレーン部を連結一体構造とした。
・法留工と法面ブロックを連結可能とした。
2. 期待される効果は?(新技術活用のメリットは?)
・法留工をプレキャストコンクリートにすることで、工期の短縮、施工性の向上、出来形精度の向上が期待できる。
・法留工が水抜き穴を有していることで、ドレーン部に集水した浸透水を効率的に排水することが可能となり、品質の向上が期待できる。
・法留工とドレーン部を連結一体化することで、裏法尻の安定性が向上し、品質の向上が期待できる。
(一体性確認試験で一体性があることを確認済み)
・法留工とドレーン部を一体化したことで法留工の小型化を実現し、製品単価と施工日数が圧縮されたため、経済性と施工性が向上した。
・法留工と法面に敷設する法面ブロックを連結することで、越流時の堤体の安定性向上により、品質の向上が期待できる。
3. その他
かご式ドレーンに使用している「亜鉛アルミ合金先めっき溶接金網」は下記の特性を有する。
・耐衝撃性
JIS G 3547(H種)相当の鉄線で構成されており、施工時(転圧等)の衝撃に対して、十分な耐衝撃性を有する。
・耐久性
亜鉛-10%アルミニウム合金めっきを施しており、土中や大気中において優れた耐久性を有する。

