国土交通省では、最新技術の導入・活用のため、民間の技術力を引き出すため、公共事業の高度化・効率化などの目的で、定期的に技術公募を行っています。
その中で、近年の自然災害による堤防被災と、それに伴う復旧作業の課題のため、国土交通省が「緊急復旧堤防の法面補強技術」に関する技術公募を実施しました。
被災場所では、迅速な緊急復旧が求められ、従来の方法としては、土堤の施工後に法面にコンクリート連節ブロックを施工する工法が一般的ですが、この方法には以下のような課題がありました。
施工に時間と手間がかかる:コンクリートブロックに鉄筋を挿入し結束する作業は複雑で、多くの時間と労力を要する。
夜間施工が困難:作業の特性上、手元が見えづらく、夜間の施工が難しい場合がある。
専門技術者の確保が困難:施工には石工などの専門技術者が必要ですが、緊急時にはその確保が難しいことがある。
上記などの課題を解決するため、国土交通省は「テーマ設定型(技術公募)」の方式で、以下の要件を満たす新技術の公募を行いました。
専門技術者を必要とせず、機械施工等により作業を省力化できること
短時間で効率的に所定の安全度を確保できること
現場ニーズに基づいて技術テーマを設定し、民間等の優れた新技術を公募して実現場で活用・評価を行う方式であり、緊急時の迅速かつ効率的な堤防復旧を目的としています。
『堤防被災時の緊急復旧堤防の効率化、省力化を目的とした法面補強技術』
にアスザックの製品が掲載されましたので、ご紹介します。
テトラック法尻ブロック(堤防裏法尻補強ブロック)

- 堤防裏法尻の補強に用いられるポーラスコンクリートブロックを法面に用いる。連結金具によりブロック同士を格子状に連結させることでフレキシブルな群体構造としている。また、ブロック表面に菱形突起があり、越流水の流速を低減することができる。
- 施工実績有り(災害時の本復旧の実績有り)
- 法面に用いることで流水や越水の通常作用による侵食・浸透破壊を防止する。
- ブロック表面に菱形突起があり、越流水の流速を低減することができる。
- ポーラスコンクリートを使用しているためブロック自体が高い透水性を有している。
- 亜鉛アルミ合金メッキ鉄線(φ8mm)によりブロック同士を格子状に連結させることでフレキシブルな群体構造となる。
- 荒締切後、堤防を盛土+整形しながらの設置が可能である。
- 施工班を分けて施工することが可能である。
グランデロック・グランデプラス(2m²大型連結ブロック)

- 2m²の大型連結ブロックのため、1m²以下のブロックよりも施工スピードが格段に向上する。
- 即時脱型製法のため、1日当り200m²程度の製造能力があり急な対応も可能となる。
- 連結ブロックのためシャックルでの連結であり連節ブロックのような鉄筋を挿入する手間がなく、夜間でも連結の作業が容易となる。
- 施工実績有り(災害時の本復旧の実績有り)
- 法面に用いることで流水や越水の通常作用による侵食・浸透破壊を防止する。
- 亜鉛アルミ合金メッキ鉄線(φ8mm)によりブロック同士を格子状に連結させることでフレキシブルな群体構造となる。
- 荒締切後、堤防を盛土+整形しながらの設置が可能である。
- 施工班を分けて施工することが可能である。
イージーストーン(省力化大型コンクリート張りブロック)

- 通常行われる間知ブロックや大型ブロック張り工のように控え35cmは胴込めコンクリートを打設するが、イー ジーストーンは控え35cmで胴込めコンクリートの打設・養生が不要となり工期が短縮できる。
- 製品同士をボルトで連結し、強固な連結が可能となる。
- 施工実績無し(災害時の緊急復旧、本復旧の実績無し)
- 法面に用いることで流水や越水の通常作用による侵食・浸透破壊を防止する。
- フランジによるボルト連結であり屈撓性はないが止水性のが期待できる。
- 荒締切後、堤防を盛土+整形しながらの設置が可能である。
- 施工班を分けて施工することが可能である。