上高地へ向かう梓川沿いでトラペロックをご採用頂きました。
市道沢渡4号線と市道沢渡5号線を結ぶ梓川を渡るための湯川1号橋を新しく架け替える事業で、今回の工事では橋台工と一緒に橋台周りの護岸工が発注となっていました。

発注は1割の間知ブロック張でした。

トラペロック45は水平積み用の法面勾配1:1.0専用のブロックであり、1割の間知ブロック張に代わる製品になります。


標準断面比較

従来工法の施工フローでは、 5分以下(積)はブロック積→裏込砕石、 1割5分以上(張)は裏込砕石→ブロック張
の順に施工しますが、1割の場合どちらから 敷設しても施工性が悪く不安定となります。

製品単体で自立し、裏込砕石の一部を製品化 する事により抜き型枠の設置・撤去が不要で、裏込砕石の投入・整形が容易など施工性・ 安全性が向上し、胴込コンクリートの厚さを 適正確保等、出来形も向上します。
施工フロー比較


ブロックは普通作業員で敷設可能です。抜き型枠が不要なので、抜き型枠設置の労 力を軽減でき、ブロック据付後すぐに胴込 めコンクリートの打設が可能となり工期短縮が期待できます。
施工業者様は以前もトラペロックを使用していただいた方です。
近年、間知ブロック積(張)工は職人不足や高齢化が課題です。
さらに間知ブロック人力作業が中心であることから施工手間や施工日数が発生します。
今回の現場は雪深い地域であることや、当初計画から着工が遅れ、竣工に間に合わせるために少しでも施工がやりやすく、設置が速い製品を、ということで以前使用したトラペロックをご採用頂きました。
施工前の様子です。
橋台の周りに護岸ブロックを施工します。

日によっては降雪がありました。

ブロックの端部に使う小口止め工にも、トラペロック専用の1割のプレキャスト品を使います。

トラペロックはブロック前面に1分の勾配がついた水平積のブロックです。
間知ブロックを使用する場合には職人がブロックを1割になるように調整しながら施工をしていくという至難の業が必要ですが、トラペロックは置くだけで1割が確保、クレーン付きのバックホウなどでブロックの敷設ができるので現場の作業員のみのチカラで設置することが可能です。

どんどん積み上がっていきます。


天端の調整は現場打になります。施工業者様に型枠を当てて頂きました。

竣工後の様子です。

厳しい積雪を乗り越え、施工が完了しました。
トラペロックはバイコン製品のため明度も低いことも特長の一つです。
梓川の雄大な自然に馴染んでほしいと思います。

