近年の豪雨災害では、線状降水帯の発生に伴う局地的・短時間強雨により、河川の流量が急増し、越水や堤防の洗掘(流水が土をえぐって掘ってしまう現象)による破堤が多発しています。
特に中小河川において、流域の急激な出水と氾濫流の発生により、都市部や農地への浸水被害が深刻化しています。

国土交通省による、粘り強い河川堤防の構造としては、以下の説明があります。
現時点の粘り強い河川堤防の構造としては、 表面被覆型(断面拡幅型を含む)があります。
表面被覆型(断面拡幅型を含む):計画高水位以下の水位の流水の通常の作用に対して堤防に求められる機能は、土堤により確保し、土堤表面にシートやコンクリートブロック等を設置することにより越水に対す る性能を発揮するものである。図 4.2-1 に表面被覆型の構造の例を示す。
(国土交通省 粘り強い河川堤防の構造検討に係る技術資料(案) より)

法留工は裏法尻ブロックの滑動に対する安定性の照査が必要で、水理特性値の優れるブロックを使用しても照査がNGとなるケースが多くあります。
その対応策として、裏法尻ブロックの滑動力、主働土圧、越流水によるせん断力を考慮すると、計算上、大きな基礎工が必要となる場合がありますが、大型化すると、裏法尻には道路や住宅などがあって奥行きを取れず、民地境界を侵してしまうので大型化できない場合があります。

そこで、従来は、基礎ブロックのみで裏法尻ブロックを支持していましたが、ドレーン工と一体化した「ベースドレーン(堤防基礎ドレーン一体工法)」をご紹介します。

(赤枠部分がベースドレーンになります)
かごの中に砕石を入れたドレーンと基礎ブロックを一体化させることで、基礎ブロックの軽量化が実現し、経済性、施工性に優れる断面が構築可能になります!

現場打ちコンクリートがないので経済性がよくなり、様々な形状の法面ブロックとの連結が可能です。
(覆土用ブロックを設置可能です。)
また、「粘り強い河川堤防」で適用可能です。
