「おかげ犬」の石碑

夏の終わりにおかげ犬が見守る交差点、おかげ犬とは・・・

🎵夏が過ぎ 風あざみ
誰のあこがれに さまよう
青空に残された 私の心は夏模様~ (井上陽水 少年時代)

8月が終わると秋が近づくはずなのですが、いまだに日差しが痛いほど熱い!災害級の暑さだとの報道があり、この暑さが続くと夏バテから秋バテという言葉が生まれそうです。
少年時代の歌詞のように、秋が近づいている季節とは思えませんね。

まだ暑い午後の日差しを受けて、夏空の下でヤギが草を食んでいました。
3頭が「メー、メー、ウメー」と鳴きながら。のどかな風景ですね。

「おかげ犬」の石碑

草を食んでいるのは草原ではなく、草屋根の上です。

「おかげ犬」の石碑


湯ノ丸高原に向かう途中にある、東御市のアトリエ・ド・フロマージュさんの屋根にヤギが3頭いました。
旧本店をリニューアルした「森のチーズテラス」で飼育されているヤギさんが、草屋根の草を食んで屋根のお手入れをしてくれています。癒やされますね。

草屋根には、断熱効果、遮音効果、防水・貯水効果があります。
なにより、ヤギさんが草をはむ姿には癒やし効果を感じますし、二酸化炭素も吸収して地球にも優しい屋根構造ですね。

湯ノ丸高原を超えて群馬県嬬恋村に入ると、一面のキャベツ畑が広がっています。
嬬恋村のキャベツ出荷量は51年連続で日本一です。
高原の涼しい気候と朝晩の霧の中で成長するキャベツは驚くほど柔らかく、シャキシャキとしています。

「おかげ犬」の石碑

猛暑の中でも秋の花はもう咲き始めました。

群馬県長野原町にある国道144号線バイパスと国道145号線の大津交差点です。
右へ曲がると草津温泉方面へ、左へ曲がると八ッ場ダム方面です。
自分を含め、県外の車が多いですね。涼を求めた夏のドライブコースなのでしょうか。

「おかげ犬」の石碑

大津交差点の標識に真田家の家紋、六文銭が描かれています。

「おかげ犬」の石碑

大津交差点の信号の脇に犬の石像が置かれていました。

「おかげ犬」の石碑

行儀よくお座りした犬が交差点を見守っています。台座には交通安全「犬塚の跡碑」と書かれていました。

「おかげ犬」の石碑

耳をピンと立て、行き交う車を心配そうに見つめる、つぶらな瞳がかわいいです!

石に刻まれたこの犬は、ただかわいいだけではなかったようです。碑文には次のようなことが書かれていました。

「おかげ犬」の石碑

昔この地は、犬塚峠とも呼ばれ、旅人が白根おろしの吹雪に遭い、冬は街道の難所であったそうです。
ある時、犬塚の村にどこからか犬がやって来て、村人が可哀そうだと言って餌を与えてかわいがったため、居ついてしまいました。
ある年、犬がいなくなり、村人はたいそう心配しましたが、きっとよそへ行ってしまったのだろうと忘れかけていました。
二カ月余り過ぎたある日の朝、突然吠えながら戻って来て村人を起こしました。
なんと犬は天照皇大神のお札を背負っていて、村人はそのお札から犬が伊勢神宮を参宮したものと信じ、祠を立ててお札をお祀りしました。
この犬はますます村人たちに愛されました。
死後、死骸を祀ったのが犬塚だったと言われているそうです。

石像を横から見ると、首にお札を下げていました。

「おかげ犬」の石碑

江戸時代、庶民にとっても夢の旅だったお伊勢参りですが、主人に代わり1匹でお伊勢参りした犬がいたという話が残されています。
代参する犬は「おかげ犬」と呼ばれ、お参りをすると首にお札をぶら下げてもらい、主人のもとに帰ったようです。この石像の犬も「おかげ犬」で、村人の恩に感謝してお伊勢参りに行ったのでしょうか。

交差点の左側の神社(↓)に犬が持ち帰ったお札が祀られているそうです。

「おかげ犬」の石碑

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